北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)第1書記の暗殺を題材にしたコメディ映画を製作したソニーのアメリカにある映画の子会社がサイバー攻撃を受けた問題で、FBI=連邦捜査局が北朝鮮政府が関与していると断定し、オバマ大統領は今後、対抗措置を取る考えを示しました。
北朝鮮のキム・ジョンウン第1書記の暗殺を題材にしたコメディ映画を製作した「ソニー・ピクチャーズエンタテインメント」は先月下旬、コンピューターシステムがサイバー攻撃を受け、これまでに劇場未公開の新作を含む映画や幹部のメールがインターネット上に流出するなどの被害が出ています。
これについて、FBIは19日、「十分な証拠がある」と発表し、サイバー攻撃に使われたソフトウエアが、かつて北朝鮮で開発されたものと似ているなどとして、アメリカ政府として初めて北朝鮮が関与していると断定しました。
そのうえで「適切な時期にわれわれのやり方で北朝鮮に相応の対応をしていく。さまざまな選択肢を検討している」と述べ、今後、対抗措置を取る考えを示しました。
一方、北朝鮮政府は一貫してサイバー攻撃への関与を否定しており、反発を強めるものとみられます。
この映画を巡っては、サイバー攻撃を行ったと主張するグループが映画館にテロ攻撃を予告する脅迫文をインターネット上に掲載したことからソニー・ピクチャーズは今月25日から全米で予定していた劇場公開を取りやめています。
これについて、オバマ大統領は「彼らは間違いを犯した。民間企業としての責任を心配したことには同情するが、最初、私に話してほしかった。私は彼らに『脅しに屈するな』と言っただろう」と述べ、ソニー側の対応は適切でなかったとの認識を示しました。