中国共産党機関紙・人民日報(電子版)は19日、韓国のソウルでヘリコプターがマンションに接触して墜落した事件を受け、韓国メディアが「中国から飛来したスモッグ」のせいにしていると報じた。
事故があったのは16日午前。ヘリはマンションに接触して墜落、乗っていた2人が死亡した。当日は濃い霧が発生し視界が悪かったことから、これが事故原因だとみられている。これを受け、韓国紙・中央日報(電子版)は専門家の意見として、「中国で発生したスモッグのせいで、韓国では霧の発生頻度が増えている。スモッグがソウル市内を飛ぶヘリにとって危険要素になっている」と報じた。
操縦歴23年のベテランパイロットも「霧の中では目をつぶって飛んでいるのと同じ。どんなに経験が豊富なベテランでも緊張する。スモッグは最大の危険要素だ」と話している。ソウル大学で大気科学を研究している許昌会教授も「中国で発生したスモッグにより、大気中の細かい塵(ちり)の濃度が高くなり、水蒸気が付着しやすくなって霧が発生する」と説明している。
こうした事態を受け、韓国では「中国のスモッグが韓国で霧を発生させている。何か対策を講じるべきだ」との声も上がっているという。